最近(2022年3月)、街中で見かけるようになった電動キックボードですが、いざ利用してみようと思っても、
・ヘルメットをかぶる必要はあるの?
・歩道を走行しても良いの?
・免許証は必要なの?
と、電動キックボードに関する法律がよくわからずに利用できずにいる方もいるのではないでしょうか?
特に2021年12月23日に警察庁が電動キックボードに関する法規制を緩和するという報道がなされ、これにより、さらによく分かりづらい状態となってしまいました。
当記事を読めば、電動キックボードに関する法律を分かり、安心して利用できるようになります。
※当ブログに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。
電動キックボードの法律で知っておくべき3つの車両区分
世の中に走っている一般的な乗用車は「普通自動車」、トラックは「大型自動車」というように乗り物によって、「普通自動車」「大型自動車」といった車両区分というのがあります。
車両区分によって、どんな免許証が必要なのか、ヘルメットが必要なのか、どこを走行してよいのか、スピードは何キロまで出してよいのかが法律で決められています。
電動キックボードに関する車両区分は、ややこしいのですが、以下の3つがあります。
- 原動付自転車
- 小型特殊自動車
- 特定小型原動機付自転車(特定小型原付)
「①原動付自転車」 として扱われるのはどんな場合か
お店やネットで購入した電動キックボードは、「①原動付自転車」として扱われます。
原動付自転車とは、いわゆる「スクーター」です。
スクーターなので、
・免許が必要
・ヘルメットが必要
・歩道は走ってはいけない
・スピードは30km/hまで(定格出力600W未満の電動キックボードの場合)
となります。
詳しくは後述します。
「②小型特殊自動車」として扱われるのはどんな場合か
Luupといった一部の事業者が提供しているシェアサービスの電動キックボード の場合は、「小型特殊自動車」として扱われます。
「小型特殊自動車」には、フォークリフトや田植機などが該当します。
あまりなじみのない方も多いかと思いますが、 「小型特殊自動車」 が公道を走る場合は、
・免許が必要
・ヘルメットは不要
・歩道は走っていけない
・スピードは15km/hまで(農作業用の乗り物は35km/h)
となります。
「原動付自転車」だと、ヘルメットが必要で30km/hまでスピードを出せますが、「小型特殊自動車」だと、ヘルメットの着用は義務ではなく、スピードは15km/hまでとなります。
つまり、自分で購入した 電動 キックボードを乗る際は、ヘルメット着用が義務であるが、シェアサービスの 電動 キックボードを乗る場合は、ヘルメットの着用が義務ではないのです。これが多くの人がヘルメットの着用について混乱を招いてしまっているのです。
では、なぜ、シェアサービスの電動キックボードはヘルメットの着用は義務ではないのでしょうか?
これは、電動キックボードのシェアサービスが普及しやすいように、経済産業省が特別に一部のシェアサービス事業者のみに対し、「小型特殊自動車」として扱ってもよいと特例措置がとられたのです。
※この特例措置は、現時点では2022年7月まで。
「③特定小型原動機付自転車」として扱われるのはどんな場合か
最後に「③特定小型原動機付自転車(特定小型原付)」とは、なんでしょうか?
これは、今後予定されている電動キックボードの車両区分です。
現行の法律にはない車両区分で、電動キックボードのためだけに新設予定の車両区分です。
この「特定小型原動機付自転車(特定小型原付)」の主な特長は、
・免許は不要
・ヘルメットは不要
・歩道を走ってもよい(ただし、6km/以下)
・年齢は16歳以上
となってます。
ほぼ自転車と一緒で、免許を持っていない人も利用が可能で、歩道走行可能というのが大きな特徴です。これなら交通量の多い道路は、車道を走らずに歩道を走れるので、とっても利用しやすくなります。
※16歳以上という条件は残りました。「①原動付自転車」「②小型特殊自動車」を利用するに必要な免許も16歳以上でないと取れないので、年齢制限は今まで通りということになります。
なお、この法律が開始されるのは令和24年と言われています。
電動キックボードを今、利用するのであれば、混乱してしまうので、一旦、この内容は忘れてしまった方がよいでしょう!
では、 「①原動付自転車」 「②小型特殊自動車」 について、もうちょっと詳しく紹介していきます。
自分で購入した電動キックボードを利用する場合の法律
自分で購入した電動キックボードを利用する場合は、「②小型特殊自動車」になります。
車体に関する規定
原動付自転車に区分されるため、安全に運転できる車体である必要があります。
具体的には、
・速度計
・ヘッドライト
・テールランプ
・ブレーキランプ
・ウインカー
・ミラー
などの装備が必要です。
もし、不足していると整備不良となってしまうため、要注意です。
お店やネットで購入する電動キックボードには上記の安全基準を満たさない車体の場合があるので、ご購入の際はご注意ください。公道利用NGの電動キックボードには下記のような注意書きがあります。
ナンバープレートが必要
ナンバープレートが必要です。
運輸支局に交付手続きを行いましょう。
保険や納税が必要
自賠責保険への加入、軽自動車税納付の義務となります。
免許が必要
電動キックボードのパワーの違いにより、必要な免許が異なるので注意が必要です。
・定格出力600W以下の車体は「原付1種」
・定格出力601W~1000Wの車体は「原付2種」
原付1種は、「原動機付自転車」の免許が必要です。普通自動車や自動2輪の免許があれば、「原動機付自転車」の免許が含まれるので大丈夫です。
一方、原付2種は、「小型限定普通二輪」の免許が必要です。自動二輪の免許をお持ちであれば、運転可能です。なお、「原動機付自転車」や「普通自動車免許」では、小型限定普通二輪免許を包含しておらず、原付2種を運転ができないので注意が必要です。もし、運転してしまったら無免許となってしまいます。
運転に関する法律
・ヘルメット
着用は義務です。
・速度制限
原付1種の場合は30km/h
原付2種の場合は60km/h
・走行可能場所
車道(歩道はNGです)
シェアサービスで借りた電動キックボードを利用する場合の法律
シェアサービスで借りた電動キックボードを利用する場合は、「②小型特殊自動車」になります。
経済産業省に許可されているシェアサービス事業者
経済産業省が、電動キックボードを「②原動付自転車」の扱いとして許可されているシェアサービス事業社は、株式会社Luup、株式会社mobby ride、株式会社EXx、長谷川工業株式会社などをはじめ、多くの事業社に対して許可しています。
認可されている事業社は、下記の経済産業省のページを参照ください。
車体に関する規定
安全に運転できる車体である必要があるため、下記に示す装備が備わっていることが必要ですが、シェアサービスで借りる電動キックボードはこの安全基準を満たしているので、利用者は気にする必要はありません。
・速度計
・ヘッドライト
・テールランプ
・ブレーキランプ
・ウインカー
・ミラー
など
ナンバープレートが必要
ナンバープレートが必要です。シェアサービスで借りる電動キックボードについています。
保険や納税が必要
自賠責保険への加入、軽自動車税納付の義務 があります。各シェアサービス事業社が手続きをしているので利用者は気にする必要はありません。
免許が必要
シェアサービスで借りる電動キックボードは、「原付1種」の車両となるため、「原動機付自転車」の免許が必要です。普通自動車や自動二輪などの免許があれば、「原動機付自転車」の免許が含まれるので大丈夫です。
運転に関する法律
・ヘルメット
着用はしなくても大丈夫です。
・速度制限
15km/hまで
・走行可能場所
- 車道(最も左側の車道を走行)※歩道の走行はNG(手で押す場合はOK)
– 下記の標識がある自転車専用道路
標識
– 原付自転車はNGでも電動キックボードは無視して進んでOKな標識
【引用元】警視庁のページ
また、 「②原動付自転車」として扱ってよいエリアは決められています。各シェアサービス事業者のアプリで確認ができます。
まとめ
経済産業省により特例となっている法律だったり、今後、法律の規制緩和が検討されていたりしており、電動キックボードに関する法律が分かりづらくなってしまっています。
当記事をご覧になって、少しでも分からなかったことが解決になれば幸いです。
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